@techreport{oai:nuis.repo.nii.ac.jp:00003416, author = {河野, 一隆 and 宮尾, 亨 and 山本, 亮 and KAWANO, Kazutaka and MIYAO, Toru and YAMAMOTO, Ryo}, note = {考古学は、機械学習とは無縁な領域とされてきた。C.ベネディクトらによる、将来、アルゴリズムに代わる職業リストでも考古学の可能性は低い。その理由は、経済的な実利性の低さと共に、ヒト(ホモ・サピエンス)固有の創造性(creativity)と協調性(social skill)がアルゴリズムに置換できないためと考えられている。 しかし、ヒトが動物・植物を家畜化(domestication)するのと同様に、ヒトは共同生活を営む過程で、自己を家畜化する。そこでは、「個人の剥き出しの暴力」が抑えられ、「集団の共同の暴力」が顕在化する。ヒトが幸福の追求で築き上げた文明社会は、生物としての耐性を弱められ、もはや自然状態に戻せない不可逆的な組織である。この自己家畜化現象は、ホモ・サピエンスが人類進化の過程で分化した時に誕生し、新石器時代の始まりと共に促進された。ヒトの創造性と協調性が固有の非常に高度なパターン認識を生み出すではなく、ヒトは自己家畜化と共に備わったアルゴリズムに意識的、無意識的に関わらず従属している。この前提に立って、人文科学・社会科学と自然科学とが協働して、新しい知を共創しようとする動きが出てきた。それが、人文情報学(Digital Humanities)である。 人文情報学は、経験主義的な知の大系である仮説駆動型ではなく、データ収集がまずあって、その解析で実験や考察を進めるデータ駆動型の研究手法を特徴とする。そのデータ群とは、人類が生み出した文書、地図、考古遺物、写真などの歴史ビッグデータである。これを、より深く掘り込んで分析するのではなく、機械可読性の高い構造化データに基づいて、シームレスに分析する点に特色がある。この新たな知の大系は、分野を越えて、市民や地域を巻き込んだオープンサイエンスを創造する。この人文情報学の展望は、欧米ではすでに開始されており日本も萌芽が見られるが、この新たな知の共創が、細分化による知の硬直化を打破する手立ての一つとして、積極的に推進していくことを提言したい。}, title = {機械学習と考古学 ―生態系とヒトの自己家畜化―}, yomi = {カワノ, カズタカ and ミヤオ, トオル and ヤマモト, リョウ} }