@techreport{oai:nuis.repo.nii.ac.jp:00003417, author = {宮尾, 亨 and 河野, 一隆 and 山本, 亮 and MIYAO, Toru and KAWANO, Kazutaka and YAMAMOTO, Ryo}, note = {考古学における縄文土器の分類は、相対年代、すなわち遺物の新旧を判定する目安となっている。一方で縄文土器は、地域ごとに異なる様式性を有していながら、他地域の様式性を取り込むこともある。現代の行政区域である新潟県では、隣接する各地域の異なる様式性を有した縄文土器が出土する一方で、それらが折衷・融合した縄文土器があり、同時に新潟県域に独特な様式性をもつ縄文土器がある。  相対年代で中期縄文に大別される「火炎土器様式」は、その典型とみなされている。隣接する東北の「大木」、北陸の「新保・新崎」、関東甲信の「阿玉台」「勝坂」などの各土器様式それぞれの特色を占めす個体のほか、それらが折衷・融合した個体があり、「火焔型土器」「王冠型土器」に象徴される新潟県域独特の個体がある。  報告者は過去に「縄文食」に関する科研課題の一環で、調理用具である縄文土器に不釣り合いな口縁の突起や器面の文様の製作技術を、CT画像やCR画像を用いて復元し、調理用具としての使用場面に関わらない造形が、地域それぞれの様式性に与えていることを指摘した。  発掘された遺跡単位で出土する縄文土器の様相は異なり、例えば中期縄文の「火炎土器様式」では、前述のような隣接地域の様式性を帯びた個体、折衷・融合した個体、新潟県域独特の「火焔型土器」「王冠型土器」のような個体、それらが混ざってあって、ひとつの遺跡で発掘される。  最初に3D計測情報の収集を企画している糸魚川市六反田南遺跡出土土器は、そのような新潟県域の中期縄文の典型例である。ここで収集した縄文土器各個体の3D計測情報を基盤として、縄文土器分類を機械学習させることで、新潟県の縄文土器の様相に説明することに寄与すると考える。  通説では縄文土器の生産は集約化されておらず、地産地消的である。それにも関わらず、遺跡単位で出土する縄文土器に、他地域の様式性が混在することは、土器製作技術の移転に関して、製作者などの人の移動のみならず、製品自体の搬出入の可能性を含意する。  3D計測情報を用いた縄文土器分類の機械学習は、新潟県域の遺跡のように、複数の地域の様式性を包括した縄文土器について、地域ごとに異なる縄文土器の様式性を明確化するともに、それらが人の移動に伴う技術の移転なのか、製品自体の移動を反映しているか否かを探る手掛かりになる可能性がある。}, title = {3D計測情報を用いた縄文土器分類の展望}, yomi = {ミヤオ, トオル and カワノ, カズタカ and ヤマモト, リョウ} }