@techreport{oai:nuis.repo.nii.ac.jp:00003536, author = {河野, 一隆 and Kawano, Kazutaka}, note = {本研究課題は、統計的画像処理(無相関ストレッチ(DStretch))と機械学習(CycleGAN)を併用し、褪色した文化財画像の復元を目的とした画像解析手法の開発と実践が目的である。無相関ストレッチは、以前から洞窟壁画の図文解析などに使われた画像解析の一種である。その利点は、  1. 壁画には非破壊・非接触で、画像のみを使用して褪色前の壁画復元が可能である。  2. 誰が行っても、繰り返し同一の結果を導くことが出来る。  3. ソフトウェアの操作が容易で、多量の画像を効率的に処理できる。 の3点に纏められる。無相関ストレッチとはラスターデータのカラー表示を強調する画像処理である。一連の色バンドに対し主成分変換によってコントラストを強調し、元に逆変換する。この処理では色相と明度は元画像と同様だが、彩度は大幅に向上し、地表物質間の色スペクトルの特性の差が大幅に強調される結果、地表物質の微妙な違いを識別する。たとえば、タイ東北部の「人の洞窟」では、岩壁に描かれた人間のふくらはぎや手の指までDStretchの画像解析によって識別できた。この分析は、インドネシア・南スマトラのレンバク古墳群でも成果を上げている。DStretch解析のメリットは、  1. 誰でも何度でも、褪色画像を同一に復元することが可能。  2. 壁画以外の多方面へ応用が利き、膨大な文化財画像を活用できる。ただし、パラメータを材質や質感によって最適化することが必要。  3. 機械学習と併用することで、精度の高い復元をすることができる。 がある。しかし、デメリットは色情報のみを扱うため、同一の強調表示された部分が、必ずしも同一の成分ではない、という点が挙げられる。  今回、壁画以外の可能性を検証するため、漆工・東洋彫刻・絵画・考古・染織などの動産文化財にも適用し良好な結果を得た。すべて成功という訳ではなく、解像度の低いものは形が崩れる結果ともなった。これらを踏まえ、今年度の目的としては、  1. ColBaseから画像を自動抽出するプログラムの開発を行い、完成次第、抽出にも一部着手する。  2. DStretch分析に適した、画像の属性を明確化する。  3. CycleGANのプログラムの検討開始。  4. 奈良文化財研究所が技術開発を主導する「ひかり拓本」について、原理と方法についてヒアリングを行う 以上の4点を目標として、本研究の推進に着手したい}, title = {統計的画像処理と機械学習を併用した文化財のデジタル復元技術の基盤創出}, yomi = {カワノ, カズタカ} }