@misc{oai:nuis.repo.nii.ac.jp:00000091, author = {白井, 健二 and Shirai, Kenji}, month = {2018-02-15}, note = {近年,産業界における製造業,電気通信業さらに社会システムとしての交通システムにおいて,それぞれの分野でシステムの性能低下を引き起こす要因としてトランザクション消滅が問題となっている。例えば,電気通信業では,テレフォンショッピングにおいて通販会社に商品購入の電話をかけた際,話中状態で顧客が商品購入を諦めるという事態が発生する。この様な事態が起きる要因としては,予測を超える急激な呼量が同時にある交換機に集中することが考えられる。このことにより通販会社にとっては,「不利益」をもたらす結果となる。また,通信システムにおける構内LAN(Local Area Network)上でのトランザクション同士の衝突により,ユーザ端末から送出された情報が通信先に届かないことが問題となっている。トランザクション消滅とは,入力されたトランザクションが期待される出力の以前に,系外に出力されるトランザクションのことをいう。本論文では,製造業における「不良品発生」,電気通信業における「電話が話中になり,顧客が商品購入を諦めること」,また「ユーザ端末から送出された情報が通信先に届かないこと」さらに,交通システムにおける「本来目的とする出口とは異なる出口で降りること」等を,「トランザクション消滅」という事象で統一的に扱うことにした。本研究では,トランザクション消滅を考慮した待ち行列系を確率システムとして取り扱い,さらに系全体を一つの「バーチャルパイプライン」という仮想的な待ち行列として取り扱った。まず,トランザクション消滅を考慮した待ち行列系について,計数過程を用いてモデル化を行った。このモデルをもとに定常状態において,トランザクション消滅がシステムにどの様な影響を与えるかについて解析した。その結果,システム定常分布(幾何分布)を求め,その唯一存在条件も併せて求めた。さらに,この定常分布を利用することにより,入力されたトランザクションの定常処理時間(システム処理時間)を求めた。本システムの性能に与える要因は,トランザクション消費に費やされる時間が最も大きく影響することを明らかにした。さらに,シミュレーション実験により確かめた。このことにより,トランザクション消滅を考慮した待ち行列系に対し,その容量設計のための有用な手法を示すことが出来た。つぎに,トランザクション消滅を有限個に限定した場合のモデル化に,ジャンプ型確率微分方程式を導入した。有限個のトランザクション消費に要する処理を考慮したシステム処理時間は,現実のシステム設計に有力な結果を示した。さらに,トランザクション消滅を考慮した待ち行列系のシステム評価として「収益」(収益率)が考えられる。本論文では,「収益」(収益率)をシステム評価として表現するために,ファイナンス論的評価関数を導入した。評価関数を表現するのに,マルコフ性を維持したジャンププロセスを導入した。これは,ジャンププロセスが資産の変動を表現するのに有効な手法であると考えられるからである。その結果,収益率の高いルートに,より多くの入力トランザクションを配分すれば良いことを示し,本システムに対する最適制御方策は,「切換え制御方式」になることを示した。さらに,このシステムを構築するにあたっては,トランザクション消滅を考慮した待ち行列系の待ち行列容量制限値が最適制御関数を拘束することも示した。最後に,トランザクション消滅を考慮した並列N個の待ち行列系に対して,入力トランザクションの獲得確率の平均と分散が与えられている場合,トランザクション流通量を最大にするための最適配分を決定する問題を提示した。本論文では,トランザクション消滅を考慮したN個の並列待ち行列系を考え,入力トランザクションのロス確率及び獲得確率を定義した。この獲得確率の変動が,伊藤型確率微分方程式により表されることをある条件のもとで示し,適当な評価関数のもとで最適配分計数は,獲得確率(ロス確率)の確率的性質にのみ依存することを明らかにし,さらに,定常モデルに対する最適配分係数を求め,数値実験により妥当性を確かめた。}, title = {トランザクション消滅を考慮した待ち行列系の確率的最適制御に関する研究}, year = {}, yomi = {シライ, ケンジ} }